漢方ダイエットで知っておきたい効果や方法、注意点など

そんなに暴飲暴食が続いているわけではないのに、なぜだか最近太りやすくなってしまった。結果の出やすいダイエットを試してみても、なかなか成果を得られない。そんな方は、自分の体質を良くわかっていないのかもしれません。

自分がどのような体質か知ることで、やるべきダイエット方法や、気をつけるべきポイントを知ることができます。自分の体質を知り、改善するに当たってオススメなのが「漢方ダイエット」です。

漢方ダイエットなら、自分がどのような体質かを知ることができるため、体質を改善して痩せやすい体質へと変えていくことができます。一時的なダイエットではなく、根本から解決したい方にピッタリの方法ですので、漢方ダイエットについてやり方やポイントなど詳しい情報を幅広くご紹介していきましょう。

漢方ダイエットとは?

漢方ダイエットとは?

漢方ダイエットとは、太りやすい身体になっている原因を突き止め、それを根本から解決することにより痩せやすい体質へと改善していくダイエット方法です。漢方の考え方を取り入れて行くことで、今までダイエットの結果が現れにくかった方でも、成果を得やすくなるのが特徴です。

また、自分の体質を把握することで、何により太りやすいのか理解できるため、今後のライフスタイルづくりにも役立てていくことができるでしょう。

バランスが崩れることにより引き起こされる肥満

バランスが崩れることにより引き起こされる肥満

漢方ダイエットでは、漢方の考え方を取り入れて行きます。漢方では、「気・血・水」を基本に身体のバランスが整えられていると考えられており、そのバランスが崩れることで、体調不良となったり太りやすくなったりするとされています。

「気」は、気力や元気などを表す言葉で、健康に生活する上で欠かせないエネルギーのひとつです。

「血」は、血液を表す言葉で、血液の循環や、臓器を正常に動かす腕欠かせないエネルギーのひとつです。・

「水」は、水分のことで、血液以外の体液を表す言葉で、各組織が円滑に稼働し、潤いを保つために欠かせないエネルギーのひとつです。これらのバランスからどのように体質をみていくのか、詳しくご説明していきましょう。

「気」が気滞したことにより引き起こされる肥満

「気」が気滞したことにより引き起こされる肥満

漢方ダイエットでは、「気・血・水」を基本に身体のバランスを見てその人の太りやすい原因を探っていきます。現代社会において急激に増えてきているのが、ストレスにより気のバランスが崩れ、「気滞(キタイ)」が起きることから肥満が起こる現象です。

「ストレス太り」と言われることも多いため、自分にあてはまると認識している方もいらっしゃるでしょう。ストレスが溜まると、気の流れが滞ってしまうため、食欲をコントロールしにくくなります。

そのため、ストレスを発散させるためにたくさん食べてしまったり、甘いものがやめられなくなってしまったり、お酒を飲む量が増えてしまったりします。また、ストレスにより自律神経のバランスも崩れやすくなるため、代謝が下がり脂肪燃焼効率も下がってしまうため、肥満をさらに増幅させてしまうでしょう。

気滞の特長

気滞の特長

太りやすい体質の原因として、ストレスにより「気」のバランスが崩れ、気滞したことから太りやすい体質になっている方には、どのような特徴があるのでしょうか。気持ちの面では、常にイライラしてしまう、気持ちに波があり落ち込むことが多い、飽きっぽくてダイエットも挫折しやすい、といった症状が起きやすくなります。

身体の面では、肩や背中、腰が凝りやすい、身体全体がどちらかというとガッチリしている、お腹が張りやすく圧迫感がある、便秘になりやすい、顔が火照りやすい、疲れやすく疲れが取れにくい、といった症状が起きやすくなります。

このような特徴があてはまる方は、ストレスにより「気」のバランスが気滞により崩れていることから、太りやすい体質になっていると言えるでしょう。

「気」が気虚したことにより引き起こされる肥満

「気」が気虚したことにより引き起こされる肥満

漢方ダイエットでは、「気・血・水」を基本に身体のバランスを見てその人の太りやすい原因を探っていきますが、「気」のバランスとしてもうひとつご紹介しておきましょう。それが、気虚(キキョ)により引き起こされる肥満です。

仕事が遅くまであって過労が慢性化している場合や、不規則な睡眠や食生活の乱れ、人間関係の摩擦などのストレスから気が消耗されて、エネルギーがわいてこない状態のことを言います。

胃腸の機能が低下しやすいため、胃潰瘍や消化不良が起きやすくなるでしょう。また、免疫力が下がって病気にかかりやすく、不妊症などにもなりやすい傾向があります。

気虚の特長

気虚の特長

太りやすい体質の原因として、「気」が気虚してバランスが崩れていることから太りやすい体質になっている方には、どのような特徴があるのでしょうか。

身体の面では、常に疲れやすくだるさが生じやすい、免疫力が下がるため病気にかかりやすい、胃腸のトラブルが多い、生理周期が短く不正出血が多い、無気力になりやすいなどが挙げられます。肌質においては、アトピーやアレルギーから湿疹などの肌トラブルが起きやすく、顔色も青白いことが多いでしょう。

このような特徴があてはまる方は、「気」のバランスが気虚により崩れていることから、太りやすい体質になっていると言えるでしょう。

「血」が瘀血したことにより引き起こされる肥満

「血」がおけつしたことにより引き起こされる肥満

漢方ダイエットでは、「気・血・水」を基本に身体のバランスを見てその人の太りやすい原因を探っていきます。次は、「血」に注目してみましょう。

血液がドロドロとした「瘀血(オケツ)」状態となると、血液の流れが滞ったり、老廃物の排出が妨げられたりするため、肥満を引き起こしやすくなります。生活リズムや食生活から引き起こされていることが多く、他の病気も引き起こしやすいのが特徴です。

瘀血の特長

お血の特長

太りやすい体質の原因として、「血」が瘀血してバランスが崩れていることから太りやすい体質になっている方には、どのような特徴があるのでしょうか。

生活リズムの面では、仕事が夜遅くまで続いて過労になりやすいことが多く、睡眠や栄養の偏りが起きやすいことが多いでしょう。食生活の面では、外食が多く、油っこいものや甘いものを多く食べる傾向が強い部分があります。

身体の面では、どちらかというとガッチリした体型でお腹がポッコリ出ている、皮下脂肪が多い、生理周期が乱れやすく生理痛が起きやすい、頭痛や肩こりが日常茶飯事、便秘、冷えやすい、のぼせやすい、シミやクマがでやすいでしょう。

このような特徴があてはまる方は、ストレスにより「気」のバランスが崩れていることから、太りやすい体質になっていると言えるでしょう。

「血」が血虚したことにより引き起こされる肥満

「血」が血虚したことにより引き起こされる肥満

漢方ダイエットでは、「気・血・水」を基本に身体のバランスを見てその人の太りやすい原因を探っていきますが、「血」のバランスとしてもうひとつご紹介しておきましょう。

血液の量が少なくなり「血虚(ケッキョ)」状態となると、身体に必要な栄養が不足し老廃物の循環も滞りやすくなるため、肥満を引き起こしやすくなります。アトピーやアレルギーなどの症状が出やすく、生理不順なども起きやすくなるでしょう。

血虚の特長

血虚の特長

太りやすい体質の原因として、「血」が血虚してバランスが崩れていることから太りやすい体質になっている方には、どのような特徴があるのでしょうか。

生活リズムの面では、慢性的な睡眠不足になりやすく、ストレスが溜まりやすい傾向があります。身体の面では、低体温で、貧血やめまいが起きやすく、抜け毛や枝毛が目立ちやすい、生理不順が激しく経血量が少ないことが多い、身体が冷えやすい、食べるときに喉が詰まる感じがする、という特徴があります。

また肌質として、シワやシミ、吹き出物などのトラブルが起きやすく、乾燥肌や敏感肌で、顔色が悪くクマも出やすい傾向があるでしょう。

「水」が水毒したことにより引き起こされる肥満

「水」が水毒したことにより引き起こされる肥満

漢方ダイエットでは、「気・血・水」を基本に身体のバランスを見てその人の太りやすい原因を探っていきますが、次は「水」のバランスを見ていきましょう。

水とは、血液以外の体液のことを指しますが、リンパ液や汗などがあてはまります。これらが「水毒(スイドク)」状態となると、からだがブヨブヨにむくんで太りやすくなります。

日本人の多くが陥りやすいタイプのひとつで、むくみや胃腸の不調、メニエール病、妊娠中毒症などを引き起こすこともあるでしょう。

水毒の特長

水毒の特長

太りやすい体質の原因として、「水」が「水毒(スイドク)」してバランスが崩れていることから太りやすい体質になっている方には、どのような特徴があるのでしょうか。身体の面では、むくみやすい、耳鳴りやめまいが起きやすい、手足が冷えやすい、鼻水や目やにが出やすい、胃が持たれやすい、咳が出やすい、息切れしやすいことが多いでしょう。

肌質の点では、湿疹などのトラブルが起きやすく、肌がベタつきやすい、虫刺されなどの跡が消えにくいという特徴があります。

また、梅雨の時期や長雨が続くと、体調を崩しやすくなります。ビールや清涼飲料水などを大量に飲む癖があったり、塩分や油ものなど味の濃いものを好んだりする傾向もあるでしょう。

体質に合った漢方とは

体質に合った漢方とは

このように、漢方ダイエットでは「気・血・水」を基本に身体のバランスを見て、その人の太りやすい原因を探っていきます。

「気」のバランスが崩れる、気滞(キタイ)、気虚(キキョ)や、「血」のバランスが崩れる、瘀血(オケツ)、血虚(ケッキョ)、「水」のバランスが崩れる、水毒(スイドク)などをご紹介しました。

それぞれの特徴や症状などから、自分にあてはまる体質を見つけることができるでしょう。では、具体的にこれらの体質にはどのような漢方薬が効果的なのか、ご紹介しておきましょう。

気滞(キタイ)や気虚(キキョ)に効く漢方薬

気滞(キタイ)や気虚(キキョ)に効く漢方薬

「気」の乱れにより肥満になりやすい方は、加味逍遥散(カミショウヨウサン)、半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)、四逆散(シギャクサン)、大柴胡湯(ダイサイコトウ)などが良いでしょう。

加味逍遥散(カミショウヨウサン)は、イライラや生理不順やのぼせなどを解消してくれます。

半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)は、疲れやすくなっていたり、気分が優れなかったり、食欲を回復させたりするときに役立ちます。

四逆散(シギャクサン)は、手足の冷えを取り除いたり、不眠や不安を解消したりするのに効果的です。

大柴胡湯(ダイサイコトウ)は、食べたものをエネルギーに変える「代謝」の働きを助けてくれるでしょう。

瘀血(オケツ)や血虚(ケッキョ)に効く漢方薬

お血(オケツ)や血虚(ケッキョ)に効く漢方薬

「血」の乱れにより肥満になりやすい方は、当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)、桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)、加味逍遥散(カミショウヨウサン)、桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)、温経湯(ウンケイトウ)、当帰飲子(トウキインシ)などが良いでしょう。

当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)は、冷え性や貧血の改善や、顔色を良くする効果があります。

桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)は、肌荒れやのぼせやすさを改善してくれるでしょう。

加味逍遥散(カミショウヨウサン)は、疲れやすさや不安感、赤ら顔に効果があります。

桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)は、生理痛、便秘症、肌トラブル、冷え性などを改善してくれるでしょう。

温経湯(ウンケイトウ)は、生理不順、冷え性、乾燥肌の改善に役立ってくれます。

当帰飲子(トウキインシ)は、皮膚が乾燥して強いかゆみが伴っているときに使用すると良いでしょう。

水毒(スイドク)に効く漢方薬

水毒(スイドク)に効く漢方薬

「水」の乱れにより肥満になりやすい方は、五苓散料(ゴレイサン)、六君子湯(リックンシトウ)、ヨク苡仁湯(ヨクイニントウ)、越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)などがオススメです。

五苓散料(ゴレイサン)は、汗をよくかいて尿が少ない人で、むくみやすい人に効果的です。

六君子湯(リックンシトウ)は、手足の冷えが強く胃腸が弱い人で、むくみやすい人に効果的です。

ヨク苡仁湯(ヨクイニントウ)は、関節痛や筋肉痛を和らげ、体内の余分な水分を排出しやすくしてくれます。

越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)は、喉が渇きやすく、汗や尿の量が多い人に効果的です。

まとめ

漢方ダイエットについて詳しくご紹介しました。自分の体質を見極めてライフスタイルや食生活を見直していくことが大切です。また、漢方薬をうまく利用することで太りやすい体質を改善していってくださいね。