
ダイエットと言えば、脂肪を燃焼させてスリムになったり、食事制限をして体重を落としたりするイメージがあります。しかし、脂肪を燃焼させるためには有酸素運動が必要ですし、体重を落とすためには食事をきちんと管理してコントロールする必要があります。
どちらのダイエットも、頭を使い身体に負担をかけるため、長続きしにくくリバウンドしやすいのが問題となっています。
大変なダイエットは続きにくいですが、簡単なダイエットなら日常に織り込みやすく長続きしやすいのではないでしょうか。一時的なダイエットではなく、長期的に体質を改善していきたいという方にとって、簡単なダイエットこそ成功の近道だと言えます。
そこでご紹介したいのが「ストレッチダイエット」です。ストレッチダイエットなら、とても簡単でいつでも取り入れることができるため、毎日の生活習慣の一部に取り込むことが可能です。そんなストレッチダイエットについて、詳しくご紹介していきましょう。
ストレッチダイエットとは
ストレッチダイエットとは、ストレッチを日常生活に取り込むことで、無理なく簡単にダイエットを続けていける方法です。さまざまな部位のストレッチを行うことで、体質を大きく改善し自然にダイエットを進めることができます。
ストレッチダイエットは、ただ何となくストレッチをしているだけでは効率よく進んで行きませんので、さまざまなポイントを知る必要があります。
ストレッチダイエットを効率よく行うためには、どのようなポイントを知っておくべきか、またストレッチの方法など詳しくご説明していきましょう。
ストレッチかダイエットにいい理由
ストレッチダイエットは、ストレッチをするだけのシンプルなダイエット方法です。しかし、激しい運動をせずストレッチだけでダイエットができるのは何故なのでしょうか。
それは、ストレッチという動作のメカニズムに秘密があります。硬くなってしまった筋肉をストレッチでほぐしていくことで、身体にさまざまな良い反応が生じてきますので、具体的にみていきましょう。
ストレッチ、ダイエットの効果について
ストレッチダイエットで、ストレッチを行うのは、硬くなってしまった筋肉をほぐす必要があるからです。ダイエットが必要な人ほど、身体が硬く姿勢も同じ状態が続いて筋肉が硬く強張ってしまいます。
そのままの状態で運動や筋力トレーニングを行うと、硬い筋肉がさらにカチカチになってしまいます。しかし、ストレッチをすることで、硬くなった筋肉がほぐされ、カチカチになったマイナス面をリセットしてくれます。
さまざまな運動や筋力トレーニングの前後にストレッチを行うのは、カチカチになり眠っていた筋肉が目を覚まして活動できる状態に回復するためなのです。
筋肉の反応について
ストレッチダイエットでストレッチをしていくと、筋肉にはどのような反応が起きるのでしょうか。まず、ストレッチをすることで筋肉は伸ばされ弾力が蘇るようになります。筋肉に弾力が蘇ると、筋肉が収縮したり伸展したりしやすくなるため、近くにある血管を刺激し血流を改善させてくれます。
血流が改善すると、筋肉に酸素が多く運ばれるようになり、より活発に筋肉が動きやすくなり、さらに血流が改善されていくようになります。血流が改善し、促進されると新鮮な血液が体中を巡り体温を上昇させてくれます。
体温が上昇すると、基礎代謝がアップするため、脂肪を燃焼しやすくなりダイエットを促進させてくれるのです。
デトックス効果について
ストレッチダイエットでストレッチしていくと、筋肉の弾力が蘇り収縮や伸展がスムーズになります。筋肉の弾力が蘇ると、血流が改善されますが、それと同時にリンパ液の流れも改善されるようになります。
リンパ液の流れが改善されると、身体に蓄積された老廃物が排出されやすくなるため、デトックス効果が高まるようになるでしょう。
身体に老廃物が蓄積されやすい状態が続くと、脂肪や水分も溜め込みやすい状態が続きますが、リンパ液の流れが改善しデトックス効果が促進されれば、脂肪と共に身体に不要なものを出しやすくなるので、新たに脂肪や老廃物を溜め込みにくくなるでしょう。
リラックス効果について
ストレッチダイエットでストレッチしていくと、リラックス効果を得ることができます。30分ほど全身の筋肉をストレッチしていくと、脳でアルファ波が増加し、心拍数を低下させる作用が働きます。
これは、自律神経の働きが副交感神経に優位になっている証拠です。副交感神経が優位になると、心身共にリラックスしやすくなり、スムーズに就寝しやすくなる効果もあります。
夜にしっかりストレッチダイエットを行うことで、睡眠のリズムを安定させれば、毎日の日常生活にもメリハリがつき、よりダイエット効果を高めることができるでしょう。
基礎代謝の改善効果について
ストレッチダイエットを行うと、基礎代謝が改善されていくようになります。基礎代謝とは、体温を一定に保ったり、心臓や内臓などの活動をコントロールしたり、無意識でも規則正しく呼吸したりするときに必要なエネルギーのことで、ベッドで安静にしている状態でも使われます。
実は、身体が使用する基礎代謝の中で、最もエネルギーを使うのが筋肉なのです。そのため、筋肉がうまく使えない状態で筋肉量が減少していくと、基礎代謝はどんどん落ちて消費されるエネルギーが減っていきます。運動不足や加齢により太りやすくなるのはこのためです。
しかし、ストレッチダイエットで筋肉をほぐしカチコチになっていた筋肉が再び使えるようになると、基礎代謝はアップしていきます。基礎代謝がアップすれば、特別な運動をしなくても日常生活をしているだけでエネルギーが消費されるようになっていくのです。
1日に必要な基礎代謝量について
基礎代謝が改善されると、日常生活を送っているだけで自然とダイエットしていくことができます。では、1日に必要な基礎代謝量はどれくらいあるのでしょうか。
年齢や体型、日常生活の運動量などで変動しますが、28歳の女性で、160cm、60kgの体型をしており、日常的にほとんど運動をしない方の場合、1日に必要な基礎代謝量は約1300kcalとなります。
そして、1日に食事からの摂取するべきカロリーは、約1900kcalとなりますので、必然的に1日に食べられる量は限られてくるでしょう。
しかし、ストレッチをして運動量を増やせば、1日に食事から摂取できるカロリーは約2300~2500kcalまで増やすことができます。ストレッチを行いながら食事量をコントロールしていけば、ダイエットはさらに進みやすくなるでしょう。
ストレッチのポイントについて
ストレッチダイエットを行うと、身体にさまざまな反応が起きダイエット効果を生み出していきます。しかし、間違ったストレッチをしていると効果は半減してしまいますので注意が必要です。そこで、ストレッチを行う上で気をつけておくべきポイントをご紹介しておきましょう。
呼吸のポイント
まず、呼吸についてですが、呼吸を止めてガマンしながらストレッチをするのはやめましょう。呼吸を止めてしまうと、身体が緊張してストレッチ効果が得られなくなるからです。
ストレッチを行う時は、深く深呼吸をしながら行い、強く負荷がかかってストレッチ中に息が止まらないように注意しましょう。
勢いをつけないこと
ストレッチダイエットを行う上で、ストレッチのポイントを知ることは必要です。次に気をつけておくべきポイントは、ストレッチの動きです。
しっかり筋肉を伸ばそうと、身体に反動をつけて勢いよくストレッチをする方がいらっしゃいますが、これでは筋肉を傷つけてしまう可能性がありますし、反動をつけることで筋肉がより緊張しやすくなってしまうこともあります。
そのため、ストレッチを行う時は、ゆっくりと行うようにしましょう。深い呼吸に合わせてゆっくりと体重をかけて、ストレッチを行っていきます。少し筋肉がつっぱるかな、というところで止めて身体の力を抜いてリラックスすれば、さらに深くストレッチしていくことができるでしょう。
筋肉を意識しよう
ストレッチダイエットでストレッチを行う場合、どの筋肉をストレッチしているのかイメージすることも大切です。どこにどんな筋肉がついているのか、図解などで確認しておくとより鮮明にイメージしやすいでしょう。
難しく考えたくない方は、ストレッチする部位を手でさすり意識するだけでも充分です。ここの筋肉をほぐそうと、しっかりイメージすることができれば、筋肉の柔軟性も蘇りやすくなるでしょう。
大きな筋肉をストレッチしよう
ストレッチダイエットでは、さまざまな筋肉をストレッチしていきますが、効率よくダイエットを進めていきたいのなら、大きな筋肉をストレッチするのがオススメです。
大きな筋肉をストレッチすると、そこで生み出されるエネルギーが増えやすくなるため、基礎代謝量がアップしダイエット効果を生み出しやすくなるからです。そのため、大きな筋肉を優先してストレッチしていくと良いでしょう。
部位のストレッチ
どのような部位のストレッチが効果的なのか、具体的にご紹介していきます。
股関節のストレッチ
ストレッチダイエットで、まずオススメしたいのが股関節のストレッチです。股関節周辺にはたくさんの大きな筋肉の起始、停止部分が集中しているため、股関節をストレッチすることでより多くの筋肉を刺激することができます。
股関節のストレッチは、まず仰向けに寝そべり、脚を軽く開いて膝を軽く曲げ、立てます。その状態で、膝を内側に倒すように交互に動かしてストレッチしていきましょう。
それが終わったら、右の脚を伸ばし、左の膝を右手で掴んで右側の床へ倒していきます。左手は肩と並行の高さでまっすぐ伸ばしておきましょう。
反対側も同じようにストレッチすることで、股関節だけでなくお腹周りやワキ周辺の筋肉もストレッチすることができます。
太もものストレッチ
ストレッチダイエットで、次にオススメしたいのが太もものストレッチです。太ももの前側には、大腿四頭筋という大きな筋肉群がついており、太ももの後ろ側にはハムストリングという大きな筋肉群がついています。
長座の状態で太ももの後ろ側をストレッチしたり、ハードルを飛ぶ姿勢になって片方ずつストレッチしたりしていくのも良いでしょう。脚を開脚して太ももの内側を中心にストレッチするのもオススメです。
正座の状態であおむけになれば、太ももの前側をストレッチすることができます。
立った状態で行う時は、片足を椅子のなどにおいて、片手を伸ばし太ももをストレッチしましょう。
背中のストレッチ
ストレッチダイエットで、次にオススメしたいのが背中のストレッチです。背中には、背筋や脊柱起立筋などたくさんの筋肉が集中しており基礎代謝アップに効果的です。
立った状態で手を組むかタオルをもってピンと張り、バンザイの状態に上げて上半身を前に倒していきましょう。
また、バンザイの状態から膝の外側に向けて真横に倒していくのもオススメです。タオルを持った片方の肘を曲げて、もう片方の手で引っ張ると、二の腕から肩甲骨にかけてストレッチを行うことができます。
四つん這いの状態で両手を動かさずに腰を落としながら正座の形になっていくことで、背中全体をストレッチすることができるでしょう。苦しい場合は、片方ずつ腕を伸ばしてストレッチするとほぐしやすくなります。
むくみも防止するふくらはぎ
ストレッチダイエットで、最後にご紹介したいのがふくらはぎのストレッチです。ふくらはぎをストレッチすることで、むくみを改善することができますし、蹴る力がアップして歩くスピードが上がりやすくなるのでオススメです。
アキレス腱を伸ばすようにストレッチするときは、壁を押すようにするとより深くストレッチすることができます。踵を浮かしてつま先立ちをするのも良いでしょう。
まとめ
ストレッチダイエットについて詳しくご紹介しました。オススメのストレッチ方法なら、大きな筋肉をストレッチすることができるので効率よく進めることができます。
ストレッチをするときは、リラックスすることが大切ですので、無理をせず気持ちよく続けていくようにしましょう。さまざまなポイントを抑え、ストレッチを毎日の習慣にすることでリバウンドすることなく体質を変えていってくださいね。