
昔から「寝る子は育つ」と言われていますが、その影響で小さい頃は早く寝るよう促された経験がある方は多いのではないでしょうか。睡眠は人間が健康に生活する上で、欠かせない行為のひとつです。
また、ダイエットにも欠かせないと言えるでしょう。実は、睡眠とダイエットの関係は非常に深く、しっかり睡眠を取っている方ほど効率よくダイエットすることができます。仕事や家事に追われて睡眠不足を削ってしまっていたり、不規則な睡眠サイクルに陥ったりしている方こそ、睡眠ダイエットの効果を知るべきでしょう。
そこで、睡眠ダイエットに関するさまざまな情報を幅広くご紹介していきますので、参考にしていただければと思います。
睡眠ダイエットとは?
睡眠ダイエットとは、睡眠をしっかり効率よくとることでダイエット効果を引き出していく方法のことです。現代社会の中で生活する方の多くが、慢性的な睡眠不足に陥っていますが、睡眠を改善するだけでダイエットすることができるので、無理に運動したり食事制限したりする必要がないのが大きなメリットです。
睡眠をおろそかにしていると、ダイエットだけでなく身体の機能にも影響していますので、これを機に睡眠について改めて見直していくようにしましょう。
睡眠ダイエットのやり方について
睡眠ダイエットでは、睡眠をしっかり確保することが大切になります。まず、睡眠の第一条件としてできる限り7時間以上眠れるようにしましょう。
「そんなに睡眠時間を作ることなんてできない!」という方もいらっしゃるでしょうが、1時間運動するよりも1時間睡眠時間を増やす方が、時間は作りやすいはずです。
仕事や家事を効率よく行い、時間にメリハリをつけることで、7時間に近い睡眠時間は確保できるようになるので、まずは毎日のライフスタイルのスケジュール配分を見直していくようにしましょう。
睡眠開始時間の目安
睡眠ダイエットでは、睡眠をしっかり確保することが大切です。第一条件としては、睡眠を7時間以上とることが理想的ですが、それをクリアできた方は次の条件もプラスしていきましょう。
それは、睡眠開始時間を早めるということです。遅くても日付が変わる前には睡眠できる環境にいるようにしましょう。可能な場合は、夜22時に睡眠を開始できれば理想的です。
「仕事や家事が片付かないからムリ!」という方も、朝早く起きて残りの用事を片づけるようにすれば、夜22時~0時の間に睡眠をスタートさせることができるでしょう。
睡眠がダイエットに良い理由
睡眠ダイエットでは、睡眠を7時間以上とることと、夜22時~0時までの間に眠りにつくことが条件となります。では、なぜこのような条件が必要なのでしょうか。
まず、睡眠を7時間以上とることは脳や身体をしっかり休ませて、傷ついた機能を修復し、正常な状態に仕上げることができるからです。身体の機能が正常になると、稼働の効率が上がり代謝もアップして脂肪燃焼効果も上がりやすくなります。
実際に、睡眠を7時間~9時間摂っている方は、短時間睡眠の方よりも太りにくく、睡眠時間が5時間前後の方は、7時間~9時間睡眠を取っている方に比べると、太っている確率は50%も多くなります。
睡眠時間が4時間以下の方に関しては、睡眠時間を7時間~9時間摂っている方に比べると、73%も太っている確率が高くなるのです。
睡眠を取る時間帯について
睡眠ダイエットの条件として、7時間以上の睡眠時間の他に、夜22時~0時までの間に眠りにつくという項目があります。なぜ、この時間に眠りはじめておく必要があるのかというと、「成長ホルモン」が関係してくるからです。
成長ホルモンは睡眠中に分泌されるもので、特に夜22時~夜中の3時に活発に分泌されます。そのため、この時間帯に深く眠れていることが重要になるのです。
成長ホルモンの作用について
睡眠ダイエットでは、夜22時~0時までの間に眠りについておくという条件があります。これは、成長ホルモンの分泌を最大限にするためです。成長ホルモンは、身体のさまざまな機能を成長させるためのものですが、大人になっても分泌され続けるものです。
傷ついた組織を修復したり、筋肉を増やしたり、肌の状態を良くしたり、脂肪燃焼効率をアップさせたり、代謝を促進したりするためには、成長ホルモン作用は欠かせません。だからこそ、この時間帯に質の良い睡眠をスタートさせておく必要があるのです。
睡眠でカロリーを消費!?
睡眠ダイエットで質の良い睡眠をしっかりとると、実はそれだけでカロリーを消費します。質の良い睡眠をとれば、約300キロカロリーを消費することができます。消費カロリーが生まれるのは、積極的に成長ホルモンが分泌されているからです。
運動に換算すると、ウォーキング1時間、ジョギング25分、サイクリング30分に相当します。一生懸命運動しなくても、質の良い睡眠を取るだけでカロリーを消費することができるのですから、ダイエットのためにも早く寝る習慣を身に着けるようにしましょう。
食欲がコントロールしやすくなる
睡眠ダイエットで、睡眠を7時間以上とり、夜22時~0時までの間に眠りにつくことができるようになると、食欲をコントロールしやすくなります。これは、グリシンの分泌が抑えられるからです。
グリシンとは食欲を増進させるホルモンのことで、睡眠不足になると分泌が活発になってしまいます。グリシンの食欲を抑えるためには、レプチンという食欲を抑えるホルモンが必要ですが、このレプチンが質の良い睡眠を取ることで多く分泌されるようになるのです。
ダイエットしなければとわかっているのに食欲を抑えられない方は、睡眠サイクルを変えることで、余計に食べてしまうことを防いでいきましょう。
自律神経が安定しやすくなる
睡眠ダイエットで睡眠のリズムが変わってくると、自律神経が安定しやすくなります。夜遅くになることが多く、睡眠時間も短い方は自律神経が乱れやすいため、気持ちが不安定になったり胃腸の調子が悪くなってしまったりします。
特に、胃腸の調子が自律神経の乱れにより不安定になると、消化や便通に影響が出てしまうようになるでしょう。食べ物をうまく消化できないことで、余分な脂肪が身体に蓄積されやすくなりますし、便秘や下痢が繰り返されることで腸が弱り代謝も下がりやすくなってしまいます。
しかし、睡眠をしっかりとれるようになれば、自律神経が安定しやすくなるので、胃腸の働きも改善し、余分な脂肪や便を溜め込みにくい身体になるでしょう。慢性的な便秘や胃の疲れに悩んでいる方は、睡眠を見直すことで正していくことができます。
睡眠サイクルは早起きでリセット
睡眠ダイエットでは、睡眠を7時間以上とることと、夜22時~0時までの間に眠りにつくことが条件となります。しかし、その睡眠リズムにしようとしてもなかなか寝付けずサイクルが合わないという方もいらっしゃるでしょう。
そんな方は、朝早起きをして太陽の光を浴びるようにしてください。朝の光を浴びることで、体内時計がリセットされ睡眠サイクルを変えやすくなるからです。睡眠サイクルを変えやすいのは、太陽の光を浴びることで「メラトニン」というホルモンが分泌されることが関係しています。
メラトニンの成分は、分泌されてから14時間後に眠気が起きやすくなるため、朝早い時間に太陽の光を浴びることで早く眠気が起きやすくなるのです。メラトニンは、太陽の光が目にあたることで発生するので、全身で太陽の光を浴びるようにしましょう。
睡眠サイクルを変えるためには、眠りはじめる時間よりも起きる時間から変えていくようにすると、スムーズことを覚えておいてください。
早起きしているのに眠たくない場合
睡眠ダイエットで睡眠サイクルを変えようと早起きしたのに、夜になってもなかなか寝付けないという方は、寝る前の行動が大きく影響している可能性があります。
寝る直前にテレビやスマートフォンなどの強い光を浴びていると、メラトニンの分泌が抑制され眠気が起きにくくなるからです。スムーズに寝付くことができないという方は、最低でも寝る1時間前にはテレビやスマートフォンを見ないように心掛けましょう。
照明をコントロールしよう
睡眠ダイエットで睡眠サイクルを変えて、質の良い睡眠を得るためには寝る前の行動が大切になります。寝る直前にテレビやスマートフォンなどの強い光を浴びると、寝付きにくくなるので避けるようにしましょう。
また、明るい電気をつけておくことでも目が冴えやすくなってしまうため、照明をコントロールするようにしてください。直接光が当たらないように間接照明にしたり、キャンドルをともして灯りを暗くしたりするようにしましょう。読書をしたり、音楽を聞いたりすることでよりリラックスして眠りにつきやすくなります。
どうしても寝付きにくいという方は、間接照明で難しい本を読みはじめれば、30分後にはしっかりと眠気が襲ってくることでしょう。
ストレッチの習慣をプラス
睡眠ダイエットで睡眠サイクルを変えて、質の良い睡眠を得るためには、寝る前にストレッチを取り入れるのがオススメです。ストレッチを行うことで、身体の血液循環が改善されますし、気持ちもリラックスしやすくなります。
肩がカチコチに固まったままでは、思考も硬くなりやすいですが、ストレッチでほぐしておけば身体にかかっていた力も程よく抜けて、気持ちよく身体を休めることができるでしょう。また、ストレッチすることで自然と呼吸がゆっくりになることも、質の良い睡眠へと繋がっていきます。
ただ、寝る前に筋力トレーニングをしてしまうと、身体のスイッチがオンになって目が覚めてしまいますので、軽いストレッチまでにとどめておくようにしましょう。
食事と睡眠の間隔について
睡眠ダイエットで睡眠サイクルを変えて、質の良い睡眠を得るためには、食事を終えてから睡眠に入るまでの時間間隔が重要になってきます。食事と睡眠の間隔をあけるなら、3時間がベストでしょう。
3時間なら胃の中が空っぽになることがないのでお腹が空いて寝付けないということもありませんし、逆にお腹がいっぱいで胃腸が活発に動きすぎて寝付けないということも避けられます。
0時に就寝する場合は21時まで、22時に就寝するまでには19時までに食事を終えておく必要がありますが、なかなか都合がつかない方もいらっしゃるでしょう。そんな時は、油っこい食事を避けて消化しやすいメニューにしたり、量を少なめにしたりして調整すると、影響が少なくなります。
効果をアップさせるハチミツ
睡眠ダイエットの効果をよりアップさせたいなら、就寝する1時間前にハチミツを大さじ1杯お湯に溶かして飲んでおくようにしましょう。
ハチミツを摂ることで肝臓に糖が補給され、成長ホルモンの分泌が活発になるからです。他の糖類に比べ、ハチミツはカロリーが低いので、寝る前に摂ってもダイエットの弊害にはならないでしょう。
入浴と睡眠の関係について
睡眠ダイエットで質の良い睡眠を得るためには、入浴タイムも重要になってきます。シャワーでさっと洗い流すよりも、40度前後のお湯にしっかり浸かることでスムーズに眠りにつきやすくなります。
入浴により身体が温められると、体温が上がり気持ちもリラックスしてきます。眠気は、体温が下がるときに発生するため、入浴でしっかり体を温めることは大切なのです。
また、身体が温められると脳内でプロスタグランジンという物質が分泌され、深く眠るために必要なデルタ波が発生しやすくなります。そして、入浴をしてから睡眠に入るまでの時間は2時間ほど開けておくのがオススメです。
入浴により体温が高いままの状態でベッドに入ってしまうと、なかなか体温が下がっていかないため眠気が起きにくくなるからです。体温をゆっくりと冷ましていくためにも、就寝の2時間前には入浴を済ませておくようにすると良いでしょう。
まとめ
睡眠ダイエットについて詳しくご紹介しました。今まで睡眠をおろそかにしていたという方は、これを機に睡眠サイクルを見直してみましょう。睡眠時間をしっかりと確保し、質の良い睡眠を取ることでダイエットだけでなく思考やライフスタイルも変わってきます。
健康な身体を維持するためにも睡眠は大切ですので、睡眠についてしっかり向き合い、改革していってくださいね。