
世の中にはさまざまなダイエットがありますが、手軽にすぐ結果が出ると人気なのが「炭水化物ダイエット」です。
ただ、炭水化物ダイエットを良く知らないまま行ってしまうと、栄養バランスがくずれ体調まで崩してしまう恐れがあるので注意が必要です。
炭水化物ダイエットのメリットもデメリットも知ってから、行うようにしましょう。そこで、炭水化物ダイエットを行う前に知っておくべきさまざまな情報を、幅広くご紹介していきたいと思います。
炭水化物ダイエットとは
まず、炭水化物ダイエットとはどのようなダイエットなのかご紹介していきましょう。炭水化物ダイエットでは、ごはんやパンを抜いて食事制限をするというイメージがあるかもしれませんが、正しくは「炭水化物を減らす」ダイエットです。
全く炭水化物を摂らないでいると栄養バランスが崩れ、体調を崩したり激しいリバウンドを招いたりする恐れがあります。炭水化物は身体に必要とされる三大栄養素のひとつです。だからこそ、極端に減らすことはタブーとされています。
三大栄養素の特性
炭水化物ダイエットでは、炭水化物を減らしながらダイエットをしていきます。炭水化物は糖質に分類され、脂質、たんぱく質と共に三大栄養素に加えられています。
炭水化物の食べ物を食べると、胃腸で消化吸収され、炭水化物はブドウ糖などに分解されます。ブドウ糖はグリコーゲンとして肝臓や筋肉に貯えられたり、血液中に血糖として入ったりします。
グリコーゲンは空腹を感じたり運動でカロリーを消費したりする時に、不足した血液中の血統をコントロールする役割があります。
ブドウ糖は、脳や中枢神経系が必要とする唯一のエネルギーで、1分間に約100mgのブドウ糖を脳が消費していると言われているのです。
このことから、糖質(炭水化物)を全て排除したダイエットをしてしまうと、身体を動かしたり脳を働かせたりすることに影響が出てしまうということを覚えておきましょう。
炭水化物ダイエット効果
体重が減少しやすい理由は?炭水化物ダイエットを始め、1食あたりの炭水化物を減らしていくと、すぐに体重に反映されるようになります。炭水化物を減らしただけなのにスゴイ!とビックリされる方もいらっしゃるでしょう。
炭水化物は1日のカロリーの半分だから痩せる
炭水化物ダイエットで体重がすぐに落ち始めるのは、炭水化物のカロリーが1日の内で半分を占めているからです。消化吸収されると糖質に代わる炭水化物は、食べすぎが続くと消費されず蓄積が進んで脂肪に代わっていきます。
そんな状態の時に、炭水化物ダイエットすることで、不足した炭水化物のエネルギーを補う形で、身体に蓄積された脂肪がエネルギーに変わり、消費されるようになっていき体重減少につながっていくのです。
炭水化物ダイエットは食欲を抑える効果
炭水化物ダイエットを始めると、今まで我慢できないほど感じていた空腹感が減少していくように感じます。猛烈な食欲が湧かず、暴飲暴食することがなくなるのは何故なのでしょうか。
それは、炭水化物を控えることで血糖値の上昇を抑えることができるからです。炭水化物を食べると、消化されて糖質となり、グリコーゲンや血糖に変換されますが、血液中に入った血糖は血糖値の上昇に関係してきます。
精製された炭水化物を食べると、血糖値が急激に上昇し脂肪に変換されやすくなります。また、急激に上昇した血糖値は時間が経つと急降下するため、一時的に血液中の血糖不足に陥ってしまいます。すると、脳が血糖の補充を支持し食欲が湧いてすぐにお腹が空いたように感じてしまうのです。
炭水化物を抑えることで、血糖値をムダに急上昇させることがなくなり、急降下で血糖不足に陥ることもないため、ムダな食欲が抑えられる効果があるのです。
炭水化物ダイエットの方法
1日の炭水化物摂取量を見直す
炭水化物ダイエットを始めるにあたり、まず1日に摂取している炭水化物の量を把握してみましょう。
炭水化物を過剰に摂りすぎている人の場合、朝に菓子パン2個、昼にパスタやうどんを1皿、夜はごはん1杯とおかずなどしっかり食べていることがほとんどです。それをすべて排除するのではなく、減らすように心がけましょう。
菓子パンは糖質が多いので、6枚切りのトースト1枚にしてバターなどをつけないようにします。パスタやうどんは食べすぎてしまうので麺類はできるだけ避け、おにぎり1個に切り替えるようにしましょう。
夜のごはんは、大盛りにしないようにしてお椀半分くらいに抑えるのが良いでしょう。このように、1食あたりの炭水化物を減らすことで、すぐに効果が現れやすくなるでしょう。
食べる順番を工夫すると効率UP
炭水化物ダイエットでは、炭水化物の量を減らしていきます。1食あたりの炭水化物は最大で減らしても半分までにとどめておくようにしましょう。また、食べる順番を工夫することで、吸収を穏やかにすることができます。
最初は食物繊維やビタミンの多い野菜などの副菜から食べ始め、次にたんぱく質の主菜を食べます。そして最後に炭水化物を食べることで、吸収を抑えることができるでしょう。
空腹時にいきなり炭水化物から食べ始めてしまうと、一気に消化吸収され血糖値も上がってしまいますので、最後に回すようにしてください。
食事の量は夜は控えめにする
炭水化物ダイエットでは、1食分の炭水化物を減らしていきますが、全体量としても夜を少な目にするようにしましょう。夜の食事後は身体を動かすことが少ないため、糖質が脂肪として蓄積しやすくなるからです。
朝と昼はしっかり目に食べ、夜は軽めに済ませることで、より炭水化物ダイエットは成功しやすくなります。可能なら夜20時以降は食事をしないようにすると、さらにダイエット効果を上げることができるでしょう。
炭水化物が含まれる食材
炭水化物ダイエットでは、炭水化物を減らしていきますが、どのような食材に炭水化物は含まれているのでしょうか。
代表的な食べ物としては、白米、小麦粉、イモ類などが挙げられるでしょう。小麦粉はさまざまな食材に変化するため、より注意が必要です。うどんやパスタなどの麺類、餃子や唐揚げの衣、ケーキやクッキーなどには全て小麦粉が使用されています。
また野菜だから大丈夫だと、じゃがいもやカボチャ、長芋などを食べすぎると炭水化物を摂りすぎてしまう結果となるでしょう。
ダイエット時の炭水化物の選び方
炭水化物ダイエットでは、1食あたりの炭水化物を減らしていきます。この時、単に減らすだけでなく別のものに切り替えることでより効率よくダイエットを進めることが可能になります。
例えば、白米を食べていたという方は、玄米や胚芽米などに切り替えたり、白いパンやパスタを食べていた方は、全粒粉のパンやパスタに切り替えたりしていきましょう。
白米や白いパン、パスタは精製されているため消化吸収が早く血糖値が急上昇しやすい食べ物です。しかし、玄米や胚芽米、全粒粉などは胚芽などに被われているため、消化に時間がかかりますがその分血糖値の上昇も緩やかになります。
また、何度も噛む必要があるため、満腹中枢が刺激されやすく少量でも満足しやすいのもメリットのひとつです。炭水化物を減らす時は、白いものから茶色いものに切り替えるようにしていきましょう。
ビタミンB1とB2に注目
炭水化物ダイエットで、副菜に是非プラスしていただきたいのがビタミンB1とB2を多く含む食材です。ニラやニンニク、ネギなどに豊富に含まれているため、積極的に取り入れるようにしましょう。
炭水化物と一緒にビタミンB1とB2を摂取することで、糖質が効率よくエネルギーに変換され消費されていきます。脂肪として蓄積されにくくなるため、ダイエット効果をより上げることができるようになるでしょう。
ダイエットで物足りない、空腹を感じたら
炭水化物ダイエットで炭水化物を減らしてしまうと、食事量が物足りなく感じてしまうことがあります。そんな時は、野菜やたんぱく質を増やすようにしましょう。野菜の場合は、咀嚼回数を増やすためにも根菜類が良いでしょう。
食物繊維が多いため、腸で膨らみ満腹感を得やすくなります。たんぱく質を増やすなら、お豆腐やおからなどがオススメです。特におからは、胃の中で水分を吸って膨らむため、少量でも満腹感を得やすくなります。
他にも、水溶性の食物繊維としてカロリーの低いコンニャクを取り入れたり、ゆで卵をプラスしたりするのもオススメです。
温かいスープで満足感を
炭水化物ダイエットで空腹感を感じたら、温かいスープをプラスするのもオススメです。野菜をたっぷり使ったお味噌汁や、ローカロリーなワカメ入りの中華スープなどをいつもの食事にプラスするだけで、驚くほど満足感が違ってきます。
温かいスープをプラスすると、身体が温まり胃腸の消化吸収もスムーズになります。また、水分を摂取することで胃腸が膨張し満腹感を得やすくなるメリットもあるでしょう。
さらに、温かいスープを飲むことで身体がリラックスし、ダイエット中にありがちなイライラも鎮めてくれる効果があるでしょう。何か物足りないなと感じたときは、温かいスープをプラスして乗り切るようにしましょう。
よく噛むことで満足感!だから痩せる
炭水化物ダイエットでは、炭水化物の量を減らしますが、噛む回数は増やすようにしましょう。炭水化物を減らしても、噛む回数が多ければ満足感は同じくらい得ることができます。白米よりも玄米、白いパンよりも全粒粉の茶色いパンにすることで、噛みごたえが増え咀嚼回数もUPします。
噛む回数が増えることで、満腹中枢が刺激されて早く満腹感を得やすくなりますし、何度も噛むことで消化吸収が穏やかになり血糖値の急上昇を防ぐこともできます。
さらに、何度も噛むことで薄味でも満足しやすくなるため、全体のカロリーも抑えられるようになるでしょう。
炭水化物ダイエットのデメリット、注意
下記の様な症状が出たら注意が必要です。炭水化物ダイエットを行っていると、体重が目に見えて減っていくため、つい炭水化物を多めに制限してしまうことが出てきます。中には、1食分の炭水化物を抜いたり、ほとんど食べなかったりしてしまう方もいらっしゃるでしょう。
集中力がなくなったら注意!
しかし、炭水化物を減らしすぎてしまうと日常生活に支障が出てくる恐れがあります。頭がボーっとして仕事に集中できなかったり、無気力で家事をやる気になれなかったりするときは、脳にエネルギーが十分に行きわたっていない可能性があります。
炭水化物が不足しすぎているとこのような症状が現れ始めるので、気づいた時にはブレーキをかけ未精製の玄米や全粒粉をプラスしていくようにしましょう。
体臭や口臭が気になったら注意!
炭水化物ダイエットを行っていると、体臭や口臭がきつくなることがあります。これも、炭水化物を過剰に抑え過ぎている証拠です。
炭水化物を控えると、身体に必要なエネルギーが不足するため、脂肪がエネルギーに変換され消費されるようになります。もし炭水化物ダイエットを行っている時に、たくさんエネルギーを使う激しいスポーツを行うと、急激に脂肪がエネルギーに変換されるため、ケトン臭が発生しやすくなります。
ケトン臭はダイエット臭と言われることもあるものですが、無理なダイエットや、ダイエット中にたくさんのエネルギー消費をするときに発生するため、正しくダイエットをしていれば発生しにくいものです。ケトン臭はワキガのニオイや甘酸っぱいニオイに近く、汗や尿、皮脂、口の中などから匂っていきます。
周りから指摘されるようなことがあれば、ダイエットが過剰になってきているサインなので、修正するようにしましょう。
気分が落ち込んで来たら注意!
炭水化物ダイエットを過剰に行っていると、気分が落ち込みうつ状態を引き起こしてしまうことがあります。脳に必要な栄養が届かないため思考が停止し、身体に疲労感が蓄積するため倦怠感が強く出てしまうからです。
うつ状態が長引くと、日常生活にも支障が出てくるため、気分が落ち込む日が続く場合は炭水化物の量を元に戻していくようにしましょう。また、症状が悪化してしまう前に専門医に相談することも大切です。
まとめ
炭水化物ダイエットについてさまざまな情報を幅広くご紹介しました。炭水化物ダイエットのメリットとデメリットを両方知ることで、安全にダイエットしていくことが重要です。
炭水化物は必要な栄養素のひとつですので、制限しすぎないように気をつけ、体調の状態を見ながら慎重にダイエットを進めていくようにしてください。