
ダイエットを始めると、体重がみるみる落ちていき楽しいですし、やりがいを感じますよね。しかし、一定期間が経つと同じようにダイエットしているのに、体重が思うように減らなくなることがあります。また、ダイエットしているにもかかわらず、体重が増えてしまうことも起きてしまうでしょう。
これは、いわゆる「停滞期」と呼ばれるもので、ダイエットを行うなかで誰もが必ず通る時期です。停滞期でダイエットを挫折する方も多いため、この時期をいかにうまく乗り越えるかが、ダイエットを成功させるポイントとなるでしょう。
ダイエットの停滞期はなぜ起きてしまうのか、そしてそれを乗り越えていくためには、どのようなアプローチが必要なのか、詳しくご紹介していきましょう。
ダイエットの停滞期とは
ダイエットをしていると、必ず停滞期を経験することになります。停滞期とは、今までと同じようにダイエットしているのに、体重や体脂肪が減らず、何も変化が起きない状態のことを言います。
また、人によっては体重が落ちないどころか増え始める場合もあるため、ダイエットを挫折しやすい時期だと言えるでしょう。
停滞期が起きる理由
ダイエット中に起きる停滞期は、挫折のきっかけを与えるものなのでゴールに到達したい人にとっては大きなハードルとなります。では、ダイエット中に停滞期が起きてしまうのは何故なのでしょうか。
それは、身体に「ホメオスタシス」という機能が働き始めるからです。この働きにより、体重の減少が止まったり、体重が増えてしまったりする現象が引き起こされてしまいます。
ホメオスタシスとは
ホメオスタシスとは、もともと身体に備わっている「恒常性機能」のことです。身体の生命機能を維持するために働きます。
ホメオスタシスは、基本的には通常時に発動することはありませんが、急激な変化を察知すると、直ちにホメオスタシスが機能し、生命維持を優先させようとします。
ダイエットは、身体にとって大きな変化となるものなので、ホメオスタシスの機能が働き、これ以上体重が減らないようにブレーキをかけてしまうのです。
ホメオスタシスが機能する時期
ダイエット中に起きる停滞期は、ホメオスタシスの機能が働くことにより引き起こされます。では、停滞期はどれくらいの時期に起きるものなのでしょうか。
ダイエットの内容や、体重が落ちるスピードによっても異なりますが、ダイエットを開始して約1ヶ月経過するとホメオスタシスが機能し、停滞期が訪れることが多いようです。
ホメオスタシスが発動しやすい条件
ダイエット中に起きる停滞期は、ホメオスタシスの機能によるものです。実は、ホメオスタシスが発動しやすい条件というものがあるので、ご紹介しておきましょう。
ホメオスタシスが発動しやすい時期は、ダイエットを始めて約1ヶ月過ぎたころとご紹介しましたが、この頃になると体重の約5%が減少していることが多いため、ホメオスタシスが発動してしまうのです。身体にとって、体重の5%が減少するということは大きな飢餓状態と同じになります。
そのため、生命維持を優先しようとホメオスタシスが発動し、ダイエットにブレーキをかけてしまうのです。そのため、体重の減少が休息に進むダイエットほど、早くホメオスタシスが発動し、停滞期が起きやすくなるでしょう。
なぜ体重は減らないのか
ダイエット中に起きる停滞期は、ホメオスタシスの機能により引き起こされています。では、ホメオスタシスが機能すると、なぜ体重が減らなくなってしまうのでしょうか。
それは、体重が減り続けることで、身体が飢餓状態であると察知し、少ない摂取エネルギーでもより多くの栄養を吸収しようとするからです。そのため、食事制限をしていても一向に体重が減らなくなってしまいます。
遭難をして長い期間食事を摂らなくても生きていけるのは、ホメオスタシスが機能し、栄養を最大限に吸収し、エネルギー消費を最小限に抑えているからです。
運動系のダイエットをしている方も、身体のエネルギーが消費されるのを最小限に抑えようとするため、どれだけ運動をがんばっても思うような成果が得られなくなってしまいます。
停滞期はどれくらい続くのか
ダイエット中に起きる停滞期は、ホメオスタシスの機能によるものですが、一体どれくらいの期間続いてしまうものなのでしょうか。停滞期の期間は、人により個人差がありますが、2週間~1ヶ月ほど続くことが多いでしょう。
長く停滞期が続くと、「このダイエットは間違っているのかもしれない」という疑問や「がんばっても変化がないなら止めちゃおう」という気持ちが出てきてしまいます。そして、停滞期をうまく乗り越えられずに、ダイエットを挫折してしまうのです。
リバウンドの罠に注意
ダイエット中に起きる停滞期は、長くて1ヶ月近く続くこともあるため、辛くなってダイエットを継続できず挫折してしまうこともあります。確かに辛くダイエットを続けるのは難しくなるでしょうが、この時期にダイエットを止めてしまうと、リバウンドする確率が高くなってしまいます。
停滞期中は、ホメオスタシスの機能により、少ない食事からたくさんの栄養を吸収し、消費エネルギーを最小限に抑えるようになっています。
そのため、通常の食事に戻したり、運動を止めて消費エネルギーが減少したりすると、一気にリバウンドしてしまうのです。前と同じ状態に戻しただけなのに、吸収率が高く消費率が低いため、太りやすい体質が確立されてしまうことになるでしょう。
停滞期の乗り越え方について
ダイエットを行うと、必ず停滞期を経験することになります。しかし、その時期にダイエットを止めてしまうと、ダイエットを始める前よりも太ってしまう可能性が高いため、うまく乗り越えていくことが大切です。
焦らない、空回りしない
大切なのは、停滞期に悩んだり焦ったりしないようにすることです。結果が現れないからと、ダイエットをさらにがんばろうとすると、それが空回りとなり心身ともに疲れてしまいます。
停滞期が訪れたら、「今はそういう時期」と割り切り、今までと同じダイエットメニューを淡々とこなすようにしましょう。焦らずダイエットを続けていけば、停滞期は終了し、再び体重や体脂肪に変化が訪れるようになります。
気分を変えてリフレッシュ
ダイエット中の停滞期は、焦っても仕方がないのでリラックスを心掛けるようにしてください。ダイエット中は、体重や体脂肪のことばかりに気持ちが向いてしまうため、他のことに目を向けるようにしましょう。
映画を観に行ったり、エステに行ってリラックスしたり、好きな趣味に没頭したりするのもオススメです。ダイエット以外のことを考え、気分をリフレッシュすることで、停滞期をうまく乗り越えていくことができるでしょう。
環境を変えてみよう
ダイエット中に停滞期が訪れたら、環境を変えてみるのもひとつの方法です。運動系のダイエットの場合、ジョギングコースや通うプールが決まってしまいやすくなります。
しかし、停滞期に違うジョギングコースを走ってみたり、別のプールで泳いでみたりすることで、新鮮な気持ちになることができるでしょう。ダイエットが習慣になっているからこそ、同じことの繰り返しにならないようにすることが大切です。
ダイエット内容を見直そう
ダイエット中に停滞期が訪れたら、もう一度ダイエット内容を確認してみるのもオススメです。停滞期だと思っていたら、いつの間にかルールが曖昧になってそれが原因でダイエットが停滞している可能性があるからです。
ダイエットをスタートした時期は、ルールを守って真面目にダイエットすることがほとんどですが、慣れてくると自己流が加わり、「これくらいなら大丈夫だろう」と自分に甘くなってしまうこともあります。
食べたものを記録したり、運動の時間を厳密に測ったりして、ダイエット内容を客観視することで、停滞期なのか、ダイエットが曖昧になっているのか、見極めるようにしましょう。
アドバイスを受けよう
ダイエット中に停滞期が訪れると、このままで大丈夫かと不安になってしまいます。ひとりで悶々と考えていると、気分も落ち込みやすくなりストレスも溜まってしまいますので、プロにアドバイスを受けるようにしましょう。
プロの目線で的確にアドバイスを受けることで、今のダイエットが適しているのか判断することができますし、支えてくれる人がいることで挫折しにくくなります。
ひとりでダイエットを行っている方は、SNSなどのコミュニティで停滞期に苦しんでいる人たちの意見を聞き、共有できるようにすると良いでしょう。
停滞期のモチベーションをいかに保つかで、ダイエットの結果は変わってくるので、協力者を作りうまく乗り越えていくようにしましょう。
停滞期が解除される理由
ダイエットを行うと、停滞期が必ず訪れますが、ずっと停滞期が継続されるわけではありません。減少した体重に身体が慣れてくると、ホメオスタシスの機能が解除され、停滞期も終了します。
停滞期が訪れたら、痩せた身体になれようとしているのだと捉えることができれば、無意味に焦ったりイライラしたりすることもなくなるでしょう。
停滞期を和らげる方法
ダイエットを行うと、停滞期が必ず訪れますが、防ぐ方法はないのでしょうか。ホメオスタシスは生命を維持するために必要な機能なので、体重が減少していくと、必ず発動します。しかし、ある条件をクリアしておけば停滞期を短くしたり和らげたりすることができるでしょう。
その条件は、体重を急激に落とさないということです。ホメオスタシスは、体重の減少が5%以上になると発動しますが、短い期間で急激に体重が減少すると、強くホメオスタシスが機能し始めます。
しかし、1ヶ月かけてゆっくりと体重を減らし、なおかつ体重の減少率を5%以下に抑えることができれば、ホメオスタシスの機能を和らげることができるでしょう。
体重が60kgある方の場合、1ヶ月で落とせる体重は3kg以内となります。ダイエットとしてはスローペースですが、停滞期のことを考えればゴールは近づきやすくなるでしょう。
停滞期を早く解除する方法
ダイエットの停滞期は、長いと1ヶ月続くこともあるため、挫折しやすくなります。早く停滞期を抜け出したいと思う方も多いでしょうが、ひとつ裏技があるのでご紹介しておきましょう。
それは、少しだけ食べる量を増やすという方法です。
停滞期は、身体が飢餓状態になっていると捉えられ、ホメオスタシスの機能が働くことで引き起こされます。しかし、一時的に食べる量が増えれば、エネルギー補給が元に戻るため、ホメオスタシスの機能が解除されることがあるのです。
ただし、停滞期に食べる量を増やすと、吸収率が高く消費率が少ないため、体重や体脂肪は必ず上がります。2~3日だけ続けて後は通常の食事量に戻し、ダイエットを継続していきましょう。
裏技と失敗のリスク
ダイエットの停滞期を早く抜け出す方法として、2~3日だけ食べる量を増やす裏技をご紹介しましたが、リスクがあることも覚えておきましょう。
食事量を戻すことで、食欲を抑えられなくなり、ダイエットを挫折してしまう可能性があります。また、通常の食事量に戻してもホメオスタシスの機能が解除されない場合もあるため、焦ってしまうこともあるでしょう。
確実に停滞期を抜け出していくためには、裏ワザを行うよりも、淡々とダイエットを続けて身体が慣れるのを待つ方が確実だということは、頭に入れておきましょう。
停滞期は定期的に来る
ダイエットの停滞期は、1回だけで終わるものではありません。停滞期を乗り越えてダイエットを続けていても、体重が再び5%減少すれば、ホメオスタシスの機能が発動し停滞期が始まります。
しかし、一度停滞期を乗り越えた方なら、二度目の停滞期も乗り越えていけるでしょう。ダイエットは、減少期と停滞期を繰り返しながら進んで行くと理解できれば、もう停滞期も怖くなくなるはずです。
まとめ
ダイエットの停滞期について詳しい情報をご紹介しました。停滞期が起きるメカニズムや、乗り越えるためのさまざまな方法を知ることで、挫折せずダイエットを続けていってください。
停滞期を乗り越えていくことができれば、ダイエットのゴールまで確実にたどり着くことができるでしょう。