
日本の伝統的な食材には、秘めたパワーがたくさん詰まっていると言われています。「梅干し」もそのひとつです。梅干しと言えば、殺菌作用が強いため、おにぎりの具や日の丸弁当を思い浮かべる方も多いと思いますが、実は梅干しにはダイエット効果もあることが確認されています。
梅干しでダイエット?と意外に思うかもしれませんが、実際に梅干を食べただけでダイエットに成功した方はたくさんいらっしゃいます。
ただ、梅干しダイエットのやり方を間違ってしまうと、体調を崩してしまったり思うような結果が得られなかったりすることもあるので注意が必要です。失敗しないためにも、梅干しダイエットについてやり方や注意点など細かくご紹介していきましょう。
梅干しダイエットとは?
梅干しダイエットとは、梅干しを毎日食べることでダイエット効果を引き出していくものです。梅干しだけを食べる単品ダイエットではないので、栄養バランスを崩すこともありませんし、長く続けやすいのが特徴です。
古くから日本で食べられてきた梅干しには、どんなダイエット効果があるのかを知り、正しく食べることでスムーズにダイエットを進めていきましょう。
梅干しダイエットのやり方について
梅干しダイエットのやり方は、食事の前や就寝前に梅干を食べるだけと、とてもシンプルです。
しかも、1日3回の食事の前に行う必要はなく、夕食のときだけ食事の前に梅干を食べるだけでもダイエット効果を引き出すことができます。また、おやつの代わりとして梅干しを食べたりするのも良いでしょう。
夕食を選ぶ理由について
梅干しダイエットのやり方は、食事の前や就寝前に梅干を食べるだけです。小さい梅なら、1日に数回食べても構いませんが、1日1回大きな梅干を食べるだけでも効果があります。1日1回の場合、夕食前に梅干を食べますがなぜこのタイミングなのでしょうか。
夕食は、1日のうちで最もカロリーが高くなりやすい食事です。時間に余裕があり、手の込んだものを作りやすいですし、食べる時間も充分あるため、つい食べ過ぎてしまうことがあります。
また、夜は晩酌を行ったりすることもあるので、ますますカロリーは跳ね上がってしまうでしょう。さらに、夕食を食べてから寝るまでの時間に、カロリーが消費されることが少ないため、夕食に食べたカロリーがそのまま身体に蓄積されてしまいます。だからこそ、夕食前に梅干を食べることが大切になるのです。
梅干しダイエットの効果
梅干しダイエットで1日1回梅干を食べる場合、夕食の前がオススメのタイミングだとご紹介しました。では、なぜ食事中や食後ではなく食前に梅干を食べる必要があるのでしょうか。
それは、梅干しにクエン酸やフラボノイドなどさまざまな成分が含まれているからです。梅干しの成分にはどんな効果があるのか、詳しくご紹介していきましょう。
クエン酸の効果について
梅干しがダイエットに良いのは、クエン酸が含まれているからです。クエン酸は、血液をサラサラにする効果があるため血流を促進してくれます。
血流が促進されると老廃物が身体の外に排出されやすくなりますし、新鮮な血液が身体のすみずみまで届くので体温が上がって代謝もアップします。代謝がアップすると、エネルギー消費量も上がるため、身体に余分な脂肪が付きにくくなるのです。
中性脂肪を分解
梅干しに含まれているクエン酸は、他にも効果があります。クエン酸には、中性脂肪を素早く分解して燃やす効果があるのです。
クエン酸が体内に摂取されると、中性脂肪がスピーディーに燃焼され、余分な脂肪を作ることを防いでくれます。そのため、身体に蓄積された脂肪は減り、食べ物から新たに脂肪が蓄積されることも抑えることができるでしょう。
血糖値の上昇を抑える
梅干しに含まれているクエン酸には、血糖値の上昇を抑える働きもあります。血糖値は、炭水化物を摂取することで、糖質として吸収されることから急上昇していきます。血糖値が急上昇すると、インシュリンが活発に分泌されて脂肪が各細胞まで届けられるようになってしまいます。
各細胞に届いても、きちんと燃焼されて使われればよいのですが、余ってしまうことも多くその場合は糖質ではなく脂肪に変えられてしまいます。そのため、血糖値の上昇を抑えることができれば、余分に太る心配はなくなるのです。
ごはんと一緒になっていることの多い梅干しですが、お米により血糖値が急上昇することを抑えるために、理にかなった配置となっていたことがお分かり頂けるでしょう。
フラボノイドの効果について
梅干しがダイエットに良いのは、フラボノイドが含まれていることも関係しています。フラボノイドは、ポリフェノールの一種で、抗酸化作用が強いため活性酸素を抑える効果があります。
仕事や家事のストレス、タバコの煙、暴飲暴食などから活性酸素は活発に増えてしまいますが、活性酸素が増えすぎると細胞を傷つけたり新陳代謝を鈍くさせたりするため、老廃物が溜まりやすくなり、老けや体調不良が起きやすくなってしまうでしょう。
しかし、梅干しのフラボノイドにより抗酸化作用が働き、活性酸素が抑えられれば、それらを防ぐことが可能になります。ダイエットだけでなく、美容や健康のためにも、梅干しは欠かせない食材だと言えるでしょう。
脂肪細胞の肥大を抑える
梅干しがダイエットに良いのは、梅干しに含まれるポリフェノールに、脂肪細胞を小さくする作用があることが近年解明されてきました。脂肪細胞は、大きくなったり小さくなったりしますが、大きくなると肥満状態になります。
梅干しに含まれるポリフェノールは、脂肪細胞に脂肪が取り込まれて大きく成長してしまうことを防ぐ作用があるため、脂肪細胞が肥大して肥満になることを抑えることができるのです。
食事の前に食べて吸収を抑制
梅干しダイエットでは、食事の前に梅干を食べますが、なぜ食事の前が良いのでしょうか。それは、食事の前に梅干を食べることにより、糖質の吸収を穏やかにする作用があるからです。ご紹介した通り、梅干しに含まれるクエン酸は血糖値の上昇を抑える働きがあります。
血糖値は食事により上昇しやすいですが、最初に梅干を食べておくことでその後の食事による血糖値上昇を抑えることができるため、結果的に肥満を防ぐことに繋げることができます。そのため、食事の前に梅干を食べるのが、ダイエット効果としては最も効率の良いタイミングとなるのです。
就寝前に梅干を摂取
梅干しダイエットでは、基本的に食事の前に梅干を食べますが、就寝前に食べるのもオススメです。就寝前に梅干を食べておくことで、寝ている間に脂肪が吸収されたり蓄積されたりすることを防ぐことができるからです。
夕食で食べたカロリーは、消費されずに残ることが多いため、就寝前に梅干を食べることで、余分な脂肪が蓄積されることをできるだけ防げるようにしておきましょう。温かい白湯と一緒に梅干を食べれば、身体も温まるのでスムーズに睡眠に移りやすくなります。
梅干しの食べ方について
梅干しダイエットでは、食事の前や就寝前に梅干を食べますが、どのように食べるのが一番良いのでしょうか。梅干しはそのままでも充分美味しく食べることができますが、塩気や酸っぱさが苦手な方は、お湯に梅干を入れて崩しながら飲むようにすると良いでしょう。
また、梅干しの果肉を叩いて料理に混ぜて食べるのもオススメです。サラダや冷奴など、ヘルシーな食材にプラスすることで、満腹感もプラスされてダイエットにも効果的です。
梅干しで減塩
梅干しダイエットでは、毎日梅干を食べますが、料理にプラスする時は塩を控えめにするようにしましょう。梅干しには塩気がありますし酸味もあるため、薬味のように少量混ぜるだけでも充分美味しく食べることができます。
塩を減らして、少しの梅をプラスすることでトータルの塩分を減らすことができるので、むくみなどの原因を取り除くことができるでしょう。
また、酸っぱさがアクセントになるので余計な油や調味料をプラスする必要がなく、食事全体の油やカロリーも抑えることができます。ダイエット効果をアップさせるためにも、さまざまな梅干し料理にチャレンジしてみると良いでしょう。
焼き梅干しのススメ
梅干しダイエットの効果をアップしたい場合、梅干しを焼いて食べることをオススメします。梅干しを焼くことで、梅干しに含まれている糖分とクエン酸が変化し、「ムメフラール」という成分が作られます。
ムメフラールは、血液の流れを良くする作用があるため、新陳代謝を活発にさせてデトックス効果を高めてくれるでしょう。焼き梅干しは、アルミホイルに梅干を入れて包み、トースターで10分ほど焼くだけです。焦げないように注意すればよいので、簡単に作ることができるでしょう。
甘い梅干しについて
梅干しダイエットを行うにあたり、梅干しの選び方も重要になります。梅干しダイエットにピッタリなのは、ベーシックな塩で味付けされた大きめの梅干しや、塩と紫蘇で味付けされた大きめの梅干しですが、酸っぱさが苦手な方は甘い梅干しにしたいと思う方もいらっしゃるでしょう。
確かに、甘い梅干しは食べやすいですが、その分ハチミツや黒糖などさまざまな糖分がプラスされているのでダイエット効果は薄まってしまいます。
しかし、梅干しの成分は摂取できるので全くダイエット効果がないというわけではありません。酸っぱい梅干しや塩気の強い梅干しが苦手という方は、マイルドな甘い梅干しで乗り切るようにしましょう。
おかず系の梅干しについて
梅干しには、ベーシックなものもあれば、甘いハチミツ入りの梅干しなどさまざまな種類があります。うま味がたっぷりな梅干しとして人気なのが、おかか梅干しや、昆布梅干しです。
梅以外にもうま味が含まれているため、そのままでも美味しく食べることができますし、おかずとしても重宝します。
ただ、調味料がプラスされている梅干しもあるので、塩分を摂り過ぎたりカロリーがプラスされたりするので、食べすぎには十分注意するようにしましょう。
梅干しダイエットの注意点について
梅干しダイエットは、食事の前や寝る前に梅干を食べるだけのシンプルな方法です。しかし、いくつか注意点がありますのでご紹介しておきましょう。
まず、梅干しダイエットをするにあたり塩分の摂り過ぎにはくれぐれも注意するようにしましょう。おかずの塩分を控えたり、汁物の味を薄めにしたりすることで調整するようにしてください。
塩分を摂り過ぎると、身体の水分バランスが崩れてむくみやすくなってしまいます。野菜や果物に含まれるカリウムを摂取すると、塩分のナトリウムと結びついてむくみを改善しやすいので、食事にはたっぷりの野菜や果物を摂るようにしましょう
歯磨き、うがいは忘れずに
梅干しダイエットで、夜寝る前に梅干を食べる方は、必ず梅干を食べた後はうがいや歯磨きを行うようにしましょう。梅干しの酸っぱさは、歯を溶かしてしまう酸でもあるので、梅干を食べたままの状態で放置すると、歯を傷めてしまいます。
歯は一度溶けたら元通りにはなりませんので、梅干しの酸はきちんと洗い流しましょう。人によっては、知覚過敏になったり虫歯に響いたりすることもあるので、梅干しを食べた後は必ずうがいをするように心がけるようにしてください。
まとめ
梅干しダイエットについてやり方や注意点など詳しくご紹介しました。伝統食やお弁当の定番というイメージだった梅干しに、こんなダイエット効果があったのかと驚いた方も多いのではないでしょうか。
梅干しは作るのに手間暇がかかりますが、一度作れば何年も保存が可能なので、梅干しダイエットで梅干しの美味しさに目覚めた方は、自分好みの梅干しを作ってみるのも良いでしょう。梅干しは、梅の産地や作り方によって味が大きく異なるものですので、思っている以上にバラエティ豊かに楽しむことができます。
もう一度梅干しというものを見直し、毎日の食事に取り入れて行くことで、少しずつ太りやすい体質を変えていくことができるでしょう。梅干しダイエットなら、今すぐスタートすることができますので、是非チャレンジしてみてくださいね。